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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第35章 Big Fight part2


「太陽大分熱下がったな」


翔「本当?」


「うん。今見てきたら下がってた」


翔「昨日はお粥結構食べたからね」


椅子に座ったタイミングで翔が朝食をテーブルに並べる。


「ありがと。頂きます。翔は?」


翔「うん…。作りながらつまんだから」


マグカップを持って向かいに座りそう言う翔の顔付きは…少し疲れてる様だった。


翔「あのさ潤」


「ん?」


翔「太陽の事なんだけど…」


「うん」


翔「今だけ…早く帰って来れない?」


「え?」


動かしていた手を止めて翔を見つめた。


翔「最近潤が帰り遅いから太陽…『パパは僕が嫌い?』って…言ってたんだよ」


「そう…なの?」


翔「うん」


「そっか…。でもごめん。今本当に時間も余裕なくて。いっぱいいっぱいなんだよ」


翔「分かってる。分かってるけど…あの時の太陽の顔…可哀想で…」


翔が悲しそうな目で俺を見つめる。


分かってる。
子供には仕事なんて理由は通用しない。
でも…俺も余裕は無かった。
常に頭の中はライブ構成の事でいっぱい。
仕事でも家でも…心の休まる時がこの時の俺には無かったんだ…。


「じゃあ俺はどうなってもいいって事?」


翔「え…?」


俺は…そのストレスを翔にぶつける事になってしまった。


「太陽が苦しんでるの…俺は何とも思ってないって思ってる?」


翔「違う…。そんな事思ってない。思ってないよ?でも…」


「だったら分かってくれよ。俺も側にいてやれなくて辛いんだよ。翔には分かって欲しい。分かって欲しいから一緒に居る時は支えて欲しいって思ってるのに…」


翔「俺は支えてないって事?」


「誰もそんな事言ってないだろ」


翔「今言ったじゃんか」


「言ってないよ」


翔「言ったよ!」


「あーもう!いいよ!!」


バンとテーブルを叩きながら俺は立ち上がった。


「ごちそうさま。もういらない」


翔「潤待って…!」


慌てて翔も立ち上がり駆け寄って来る。


「翔は分かってくれてると思ってた」


翔「分かってるよ…」


「ごめん。もう少し寝かせて…」


握られた手を離して俺はリビングを出て行った。
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