第35章 Big Fight part2
太陽「んん…うぅ…」
「ほら、ごっくんして?」
太陽「んっ…」
お粥を食べさせた後、太陽に薬を飲ませた。
子供用の甘いお薬もあったけれど…苦い薬もあって。
嫌がる太陽に飲ませるのは一苦労だった。
太陽「にがいよぉ…ママ…ぐすっ」
「苦かったね。よく頑張ったえらいよ太陽」
太陽「ぐすっ…」
「よしよし…」
泣いてしがみつく太陽を抱き締めて頭を撫でる。
「元気になったら太陽の好きな美味しい物作ってあげるからね」
太陽「ほんと…?」
「うん。だから早く元気になってね?」
太陽「あい」
そしてそのまま太陽をベッドに横たえて俺も隣に横になった。
リズムよくポンポンと太陽を叩いていると…太陽は直ぐにうつらうつらしてくる。
太陽「ママぁ…パパは…?」
「ん?お仕事…忙しいみたいだね」
太陽「パパ…ぼくのこときらい?」
「え?」
太陽「パパ…だっこない…」
「………」
太陽「パパきらい?」
「そんな事ないよ。パパは太陽が大好きだよ?お仕事忙しいから太陽に会えないけど…ちゃんと太陽見てるよ?遅く帰って来ても太陽が寝てる時ちゃんとここに来てくれてるから」
太陽「ほんと…?」
「本当。だからパパとまた遊べる様に早く元気になりうね?」
太陽「ん…」
そう言って太陽はゆっくりと目を閉じた。
太陽が完全に寝入ったのを確認してから俺は起き上がり、食器を持ってリビングへと戻った。
太陽の熱は順調に下がってるけど…やっぱり子供でもメンタル弱るよな。
きっとパパの顔も見たいんだ…。
そう思いながら茶碗を洗っていると携帯の着信音が鳴り響く。
見ると潤からだ。
「もしもし?」
潤『あ、もしもし翔?ごめん…まだ打ち合わせ終わらなくてまだ掛かりそうなんだ。だから先に寝てて?』
「え…そうなの?」
潤『うん。ちょっとまた直ぐに戻んなきゃだから…』
「分かった…無理しないでね?」
潤『うん。じゃあおやすみ』
そして直ぐに電話は切れた。
「………潤…」
話…したかったのに…。
俺はため息を付ながら流し台に手を付いていた。