第34章 魅惑の薬
ー潤sideー
智「おーよく食うなぁ虎鉄」
キャットフードを勢いよく食べる虎鉄を撫でながらりーだーが呟く。
俺はその様子を見ながら朝食を作っていた。
「りーだー。そこ野菜切ってるから盛り付けてくれる?」
智「ほーい」
俺の隣に並んで立ち、りーだーがボウルにサラダを盛り付け始めた。
「りーだーんとこ飼うなら柴犬だろ?」
智「柴犬なら1匹居るしなぁ…」
「ぷっ」
智「でも智也が太陽くん位になったら考えたいなぁ」
「癒されるよ。特に子供と居たらな。猫って子供あまり好きじゃないみたいだけど…うちはべったりなんだよな。虎鉄が事故に遭った時に真っ先に駆け寄ったのは太陽みたいだから…虎鉄…それ覚えてるのかもしれないな」
智「そっかぁ…」
「ずっと兄弟みたいにしてくれたらいいけどな」
智「そだな…」
「やっぱりーだー盛り付け上手いなぁ」
芸術的センスのせいか、殆ど料理をしないりーだーも盛り付けはピカイチだ。
「よし…」
焼いたパンをお皿に乗せ、テーブルに置く。
そして真ん中にサラダボウルを置いた。
智「おっしゃれー…」
「よし。うちのにゃんこ姫と息子連れて来るか」
智「おいらもわんこ姫と息子も」
俺達は各寝室へと入って行く。
もしかしたら寝てるかもしれないとそっと静かに中に入ると…翔はこっちに背中を向けた状態で眠っている太陽に話していた。
翔「太陽…。ママね、パパの事…本当に大好きなんだ」
太陽の髪を撫でながら…翔は太陽に呟いていた。
翔「好きで好きでたまんない。パパの全部大好き。本当に出逢えて良かった。ママはパパが居ないと死んじゃう。太陽も…それ位大好きになれる人と出逢える事…ママは祈ってるよ」
翔…。
俺はそのままそっと翔に近付いた。