第34章 魅惑の薬
ー潤sideー
「なぁ…何なんだあれ」
智「分っかんねぇ…」
寝室から悲鳴が聞こえる。
気付いたみたいだ。
「まずは…無事で良かった…」
智「本当…心臓止まるかと思った…」
バタバタとこちらに走って来る足音が聞こえる。
そして勢いよく扉が開かれた。
翔「潤っっ!!」
和「さとしっっ!!どーいう事これっっ…!!」
智「分かんないよ。2人共呼吸止まって…身体から煙出てさ…いきなりそれになったんだよ」
バスローブを羽織って耳を撫でる翔とにの。
耳だけじゃない…。
そのお尻からは尻尾も生えていた。
バスローブを下から押し上げて揺らめいてる。
翔「………薬の瓶貸して?」
和「翔さん?」
翔「英語で何か書いてたじゃん?ちゃんと読んでないけど…何か書かれてるかも」
智「さすが翔くん」
俺は床に転がっていた瓶を翔に渡した。
翔「………」
「………何て書いてある?」
翔「………『一口飲めば…媚薬としての素敵な効果が発揮されます。めくるめく官能的な夜をパートナーとお過ごし下さい一瓶で約10日分。効果は約2時間。用量・用法を正しく守ってお使い下さい。』」
智「………全部…飲んだけど…」
翔「『一度に全部飲用するのはお止め下さい。約10日分の効果が一気に身体を襲います。』はぁ!?」
「マジ!?」
翔「『お酒との併用は身体に障害をもたらしますので絶対にお止め下さい。特に赤ワインとの併用はNG』………」
和「………」
「………」
智「………」
翔「『追伸、赤ワインと一緒に全部飲んじゃったそこの君。耳と尻尾が生えて驚いてるだろ?しかしご安心を。効果が切れれば自然と取れるよ。じゃあ頑張ってね。はぁと』………」
「………」
和「………」
智「………」
翔「だーーーーーっっ!!悪ふざけ!!」
喚きながら翔が瓶を叩き付けた。
「………ぷっ…」
その可愛い姿に思わず吹いてしまった。