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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第33章 太陽の兄弟


ー潤sideー


玄関の扉を開くとゆっくりと担いでいたキャリーバッグを下ろす。


中に居る真っ黒の子猫は興味深そうに辺りをきょろきょろ見回していた。


ゆっくりと扉を開くと…そろそろと出て来る。


翔「今日からここがお家だよ?」


太陽「にゃんにゃーん…」


するとぷるっ身体を震わせた後、いきなり子猫はリビングに向かってダッシュして行った。


太陽「まってぇ!」


その後を太陽がとてとて追い掛けて行く。


「おっと…。すげー元気だな…」


翔「太陽ー転ばないでね」


荷物を抱え太陽の後を追うと…リビングで太陽は子猫と抱っこしながら笑顔でこちらを見ていた。


「………良いなぁ何か」


翔「うん」


「翔は…大丈夫そう?」


翔「あの子なら何とか…。縁だって思ってる」


「そっか」


翔「まさか俺が動物と生活する事になるとはね…」


そう言いながら太陽の隣に座ると…猫が喉をゴロゴロ鳴らしながら翔にすり寄って来る。


子猫「ニャ」


翔「あはは…可愛いな…」


太陽「ママだっこ!」


猫に対向意識を燃やしたのか…太陽が翔に抱き着く。


「モテモテだなお母さん」


翔「重い…」


太陽と猫を一緒に抱え、翔は苦笑していた。


「そういえば…名前…付けなきゃな…」


翔「あ、そっか…」


「………うーん…」


翔「せっかく元気になったんだから…たくましく育って欲しいよね…」


「たくましく…あ…じゃあさ…」


急に降ってきた名前を俺は携帯に打ち込んで翔に見せる。


翔「………虎鉄…こてつ?」


「虎の様にたくましく、鉄の様に丈夫に育って欲しいから…虎鉄!」


翔「………いいね。虎鉄…凄くいい」


「よし!今日からお前は虎鉄だ!松本虎鉄!」


翔にスリスリしていた虎鉄を抱き抱える。


虎鉄「ニャァ!」


翔「気に入ったみたい。太陽、この子は虎鉄だよ」


太陽「こて…?」


「虎鉄だよ」


太陽「こて!」


虎鉄「ミャァ♪」


翔「ふふっ」


こうして新しい家族、黒猫の虎鉄を加えての新生活がスタートしたのだった。
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