第32章 Sexual harassment
翔「潤…」
リビングのソファーに腰掛け、裸の翔を膝に座らせる。
両手で身体を隠そうとするからその手に指を絡めながら…翔を見つめた。
翔「ごめん…潤…」
「何で翔が謝るの」
翔「だって…」
「ん?」
翔「俺は…潤しか知らなくて…。入れ替わった時は…お遊びでしたりしたけど…でも本気で身体を重ねたのは潤しか居なくて…でも…あいつに汚されて…」
「翔…」
翔「夫しか知らないって事…俺の誇りだった。潤が全部教えてくれて…一生の宝だったのに…」
「………」
翔「っっ…あいつのせいで…人生狂わされた…赤ちゃんも…」
「翔…」
翔「ごめん…にのが俺と同じ思いをしなくてよかったって思って…そしたら…思い出して…弱くてごめん…」
「何言ってんだよ…」
翔の身体をそっと抱き締める。
「思い出した時は思いきり泣けよ。声上げてもいい。暴れてもいい。思いきり感情を吐き出していい。ただひとつだけ…約束して?」
翔「ぐすっ…約束…?」
きょとんと翔が大きな瞳で俺を見つめた。
「泣くのは…俺の腕の中にして」
翔「潤…」
「1人で泣くのは駄目だ。俺の腕の中で思いきり泣いて。俺が全部受け止めるから…」
翔「潤っ…」
「約束して?」
翔「ん…約束…する」
「よし」
頭を撫でると…ようやく翔に笑顔が戻った。
翔「潤…」
「ん?」
翔「裸で寒いから…温めて?」
「いいよ」
翔の身体を支えながら…俺はゆっくりと口付けた。