第32章 Sexual harassment
ー潤sideー
「桃太郎はおうちに帰り、おじいさんとおばあさんと幸せに暮らしました…」
太陽「すぅ…すぅ…」
「おやすみ…」
太陽のおでこにそっとキスして絵本を棚にしまう。
今日は直ぐに寝てくれたな…なんて思いながら時計を覗くと翔がお風呂に入ってから1時間近く経とうとしていた。
「長風呂なんて珍しいな…」
俺は何となく心配になり、バスルームへと向かった。
「翔ー?どうした?」
翔「嫌っっ…!」
ドアを開けると身体を拭いていた翔が悲鳴を上げながらしゃがみ込んだ。
「翔どうした?」
翔「見ないで…」
「………」
何となく…気付いてた。
にのの話を聞いてから翔の様子が少しおかしかった。
きっと…思い出してしまったんだ。
あの日の記憶を。
「翔大丈夫だから」
翔「駄目…俺…俺の身体は…汚れてる…」
「汚れてない。綺麗だよ」
翔を無理矢理立たせ、被っていたバスタオルを奪って床に捨てた。
翔「や…!見ないで…」
「嫌だ。こんな綺麗な身体…俺は他に知らない。だから見るよ」
翔の両腕を掴んでその白い肌を見た。
翔「やだ…ぐすっ…」
「汚れてなんかない。綺麗だよ」
翔「綺麗なんかじゃ…」
「綺麗だよ。何度でも言う。翔は綺麗だ。何も変わらないから」
翔「ぐすっ…」
「………思い出したの?」
翔「………」
翔は静かに頷いた。
「消してやる。おいで翔」
全裸の翔を抱き抱え、俺はリビングへと移動した。