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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第32章 Sexual harassment


ー翔sideー


「………」


湯船の中で…俺は膝を抱えたまま動けないでいる。


そろそろ上がらないと…潤が心配してやって来るだろう。
でも…動けなかった。


脚本家の橋本さんに襲われた。
にのの口からそんな言葉を聞いて…俺は沸き上がる橋本さんへの怒りを抑えるのに精一杯で…収録の記憶があまりない。
秋には彼が脚本を担当する映画の主演が決まっていた。
………降板を本気で考えた。
でも…彼の方が脚本を降ろされた。


今日程…所属事務所が大きな事務所でよかったと思った日はない。
彼は暫く…脚本家として仕事を干されるだろう。


もし俺達の事務所が小さな事務所だったら…?
きっと…堪え忍ばないといけなかった筈…。


会ったら…1発ぶん殴ってやりたかった。


好きでもない男に押し倒されて…どんなに怖かっただろう。
にのの心の痛みが…俺にはよく分かるから。


本当に…最後までされなくて良かった。
にのの身体が…汚れなくて良かった…。










『翔…はぁっ…いいよ…最高だ…』


『嫌っっ…あっっ、あぁっっ…止めてっっ…!!』


『もう駄目だ…出すよ…翔の中に…』


『止めてっっ…嫌っっ…やぁっっ!!』





「っっ…!!」





『っっ…翔愛してるっっ…綺麗だよ…』


『あっっ、あんっっ、あぁっっ、あんっっ、やぁっっ…』


『愛してるっっ…最高だよ翔の身体…』


『はぁっっ…あ、やんっっ、そこっっ…あーっっ…』


『はぁっ…いいっっ…もっと…腰振って…乱れて…俺の翔っっ…俺だけの物だっっ…』


『もう出ちゃ…あっっ、あぁんっっ!!』


『俺も出るっっ…翔の中に出すよっっ…あぁっっ!!』





「ふぅっ…や…嫌…!!」


ぎゅっと抱いていた肩にギリギリと爪が食い込む。
ぽたぽたと…瞳から溢れる涙がお湯の中へとつたっていった。


もう…思い出す事はないと思っていた…過去の記憶。


俺の心の奥底にあった傷から…溢れ出したあの日の記憶。


あの記憶は…きっと一生俺の中から消えてはくれないんだ…。
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