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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第32章 Sexual harassment


ー智sideー


丸山「おーちゃん…すげー怖かったです」


「ん?」


丸山「本当に…あいつ殺すのかと思いました。怖すぎて…動けなかった」


「悪いな。誰も居ないと思ってたから」


………本当に殺そうと思った。
包丁を降り下ろす瞬間まで。


でも降り下ろすと同時に脳裏に浮かんだ…智也と…かずの笑顔。
2人を殺人犯の妻と息子にする訳にはいかない。
そう思って殺せなかった。
理性が勝ってしまったけれどきっと…二度目は無いだろうなと…そう確信してる。


丸山「いえ。でも…格好良かったです」


「ははっ」


丸山「勿論誰にも言いませんから…今度奢って下さいね?」


「わーったよ」


見られたのがマルで良かったな…。


すると廊下の向こう側からヒールの音と共に…ジュリーさんがやって来た。


ジュリー「智。隆平もいたの」


「お疲れっす」


丸山「お疲れ様です」


ジュリー「丁度良かったわ。今楽屋で話して来たんだけど」


「はい」


ジュリー「脚本家の橋本。降ろしたから」


丸山「え…」


ジュリー「うちの事務所とも暫く仕事はしないわ。翔の映画の脚本も交替させるわ」


「そうですか…ありがとうございます」


ジュリー「和也はドラマ終わったらスケジュール出来る限り緩くするから。ゆっくりさせて」


「はい」


ジュリー「今からプロデューサーと話して来るから。後任の脚本家決まったら連絡すると思うわ。じゃあね」


忙しそうに立ち去るジュリーさんを俺とマルは頭を下げて見送った。


丸山「良かったぁ…」


「だな…。あ、じゃあおいら戻るわ」


丸山「はい。じゃあまた」


「またな」


おいらは手を振りながらマルと別れ、かずの待つ楽屋に戻った。
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