第32章 Sexual harassment
ー和也sideー
翔「………は…?」
潤「嘘だろ…?」
レギュラー番組収録前の楽屋。
俺は…勇気を出して3人に俺の身に起こった事を話した。
雅紀「にの…何で言わなかったんだよ…」
「我慢してればいつか収まるって…思ってた。それに皆に心配かけたくなくて…。まさか…あんな事されるなんて思わなかった…」
翔「………」
潤「でも…無事で良かった。頑張ったなにの」
「うん。もう平気だから」
さとしが居てくれたから…俺は落ち着いて話が出来る。
もう平気だ。
俺は笑顔で頷いた。
翔「………本当に平気?」
隣に座っていた翔さんが俺の手をそっと握った。
「うん。ありがとう翔さん」
翔「にの…」
翔さんが涙を流しながらガバッと俺を抱き締めてきた。
「翔さん…」
その背中に手を回して抱き締め返した。
この人は…俺の心の痛みを分かってくれてる。
未遂に終わったけど…怖くて怖くて…やっぱり思い出すと怖い記憶。
きっと俺を抱き締めてくれてるこの人は…もっともっと…怖い思いをしたんだ。
俺なんかじゃ比べ物にならない位…。
一生心の奥底に残る傷と…向き合ってるんだ翔さんは…。
翔「ん、よし」
身体を離した翔さんはにっこりと微笑みながら涙を拭った。
翔「笑おうねにの」
「うん」
そんなやり取りを潤くんと相葉さんは微笑みながら見てた。
雅紀「松潤はさーにのが翔ちゃんハグするのはいい訳?」
潤「ん?まぁな」
雅紀「俺が抱き着いた時は蹴飛ばして来たのに…」
潤「当たり前だろ」
「ふふっ」
翔「そういえば智くんは?」
潤「トイレって言ってたけど…長いよね」
雅紀「お腹痛いのかな」
俺達は知らなかった。
さとしはこの時…あいつと2人きりで居た事を…。