第31章 Full of more happiness
「お帰りさとし」
智「ただいまー」
翔「お帰りなさい智くん」
太陽「さとじぃ!おかーり」
智「おーまだ居たんか。丁度良かった。魚大漁だから持って帰る?」
翔「本当?ありがとう!」
太陽「さとじぃくちゃい!」
智「はっはっ、釣りしてきたからなぁ」
「先お風呂入って来る?」
智「そうだな」
「後で智也連れていくからお願いするね」
智「おっけー」
智がそのまま風呂場に入って行く。
翔「お魚貰ったら帰るね。ゆっくり智くんと話して」
「ありがとう翔さん。夕飯まで作ってくれてありがとう」
翔「ううん。きっと分かってくれるから大丈夫」
「うん」
「さとし。ちょっといい?」
智「んー?」
夕食後。
翔さんと太陽くんが帰った後、俺はソファーで智也をあやすさとしの隣に腰掛ける。
智「どうした?」
「………見て欲しい物があって…」
そう言って俺はテーブルにドラマの台本を置いた。
智「どうしたこれ」
「………10月期のドラマのオファー来たんだ。それで…受けようと思ってる。撮影は…9月の頭からスタートで…」
智「………」
「さとし…俺このドラマやってみたいんだ。だから…予定とは違うけど…後2ヶ月で復帰したい」
智「………」
「さとし…」
智「…覚悟して言ってんのか?智也の事。家庭の事」
「うん。それでも…やりたいんだ」
智「そっか…じゃあやってみな」
あっさりと…さとしは首を縦に振ってくれた。
「いいの…?」
智「いいよ」
「反対…されると思ってた」
智「何言ってんだ。お前に押し付けてばかりのおいらが仕事反対したらバチ当たるよ」
「押し付けてなんか…」
智「押し付けてるよ。それに産まれるまでもずっと…ここで1人で智也守ってくれたろ?」
さとしの手が伸び、俺のお腹を撫でる。
智「だから今はおいらが守る番。それに…初めてだろ。かずが自分からドラマの仕事やりたいって言ったの」
「そうかな…」
智「そうだよ。だから思いきりやってこい。協力するから」
「ありがとうさとし…」
さとしの器の大きさを俺は甘くみてた…。
ありがとうさとし…。
そして俺は早々に復帰に向けての準備に取り掛かる事になったのだった。