第31章 Full of more happiness
ー潤sideー
「ふぁぁ…」
朝食の後、時間の余裕のあった俺はソファーで台本の確認をする。
昨日も撮影が終わったのが2時。それから少しツアーの打合せして…帰ったのが4時。
睡眠時間は…3時間ちょっとか…。
翔「潤…疲れてる?」
「ん?」
翔が心配そうに俺を見つめながらコーヒーをくれた。
翔「少し隈出来てる…」
「ん?ああ…最近時間押してるからな…大丈夫だよ。ありがとう」
翔「そう?」
太陽「あんぱーんち!」
太陽はアンパンマンのDVDに夢中になってる。
「色々考える事…多くてさ…」
翔「………ラブストーリーだしね…」
そう。今俺が撮影してるのはラブストーリーのドラマ。
そして初めての月9。
結構プレッシャーは感じていた。
キスシーンも…あるし…。
本当だったら毎日ピリピリしてるんだけど…。
何だろうな。
家庭持つと…そこが息抜きになっていい意味で気が抜ける。
何も言わずに側に居てくれる奥さんと…アンパンマンに夢中になって踊る息子。
この、2年半でガラリと変わった俺の部屋。
昔は好きな物を置いて好きな様にコーディネートしてたこの家も…今はほとんどが子供の玩具で溢れてる。
棚には…オムツやら何やらが並べられてる。
アイドルだから…家庭臭さは外に出さない様に気を付けてるけど…でも…それが最高の幸せになっていた。
「ふふっ」
翔「どうしたの潤」
翔が不振そうに俺を見つめた。
「幸せだなぁって…」
翔「えー?急にどしたの。何かあった?」
「別に…」
翔の腕を引き、俺の膝に座らせる。
翔「台本見なくていいの?」
「大丈夫。台詞は頭に入ってる」
翔「そっか」
にっこり微笑みながら…翔が俺の首に手を掛ける。
この笑顔…。
昔から変わらない可愛い翔の笑顔。
「疲れてるから…充電させて…?」
翔「ふふっ。いいよ」
そのまま翔の胸に顔を埋めゆっくり呼吸する。
翔の匂い…。これも昔から変わらない…。
「あー…世界一幸せ…」
翔「それだけで?」
「うん。溢れる位幸せ…」
翔「………俺も…」
そのまま吸い寄せられる様に俺達は唇を重ねた。