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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第30章 家族の絆


ー和也sideー


「はぁっ…はぁっ…」


医者「大野さんもうすぐですからね。もう人踏ん張りですよ」


「はい…!」


分娩室に入ってどれ位だろう。
なかなか赤ちゃん出て来なくて。
先に破水しちゃったから…出にくいみたい。


さとし…まだなの…?


智「かずっっ!!」


白衣を引っ掛けたさとしが走って来た。


「か、怪物くん…」


智「大丈夫かかず?」


「はぁっ…はぁっ…死ぬ…死ぬ程痛いよ…代わって…」


智「そ…それは出来ないけど…大丈夫だから。もうおいらが居るからな」


さとしが力強く俺の手を握った。


「あ、っっ…来た…!!」


再び襲われる大きな波。


智「ひーひーふーだぞかず」


「ひーひー…ふー…」


医者「大野さん、はい、いきんで!」


「んーーーっっ!!」


智「頑張れ!!」


「んぁぁーっっ!!」


赤ちゃんはまだ出ない。


「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」


智「かず…しっかりな」


さとしが優しくタオルで俺の汗を拭いてくれた。


「さとし…この子俺と…誕生日が一緒…」


智「だよな。最高の誕生日プレゼントだ」


次の陣痛の波が来るまで…さとしは水分を取らせてくれたり、汗を拭いてくれたり…ずっと手を握ってくれてた。


さとしが来るまで不安だった。
でも…今はこうして手を握ってくれてる。
俺の大好きな…怪物ランドのプリンス。


「さとし…キスして…」


智「ん?おう」


人目もはばからずにキスする。


智「一緒に頑張ろうな。大丈夫。次は会える」


「うん。………あ…っっ…」


すると…一気に波が押し寄せて来る。


医者「よし。大野さんせーのでいきますよ?」


「はい…!」


医者「いくよ、せーの!!」


「んんっっ…んぁっっ…!!」


智「かず…!頭見えてるぞ!!」


医者「出るよ!!もう一息!!」


「あぁぁーっっ!!!」


『おぎゃあ…おぎゃあ…』


智「で…出た…!」


「はーっ…はーっ…」


医者「体重測って?」


看護師「はい」


産まれた赤ちゃんが看護師さんに運ばれていく。


智「先生…子供は…?」


さとしが不安そうな顔で子供の表情を見ていた。
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