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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第30章 家族の絆


綾香「お邪魔します」


「いらっしゃい」


綾香「買い出しこんな感じでいいかなぁ」


翔「うん大丈夫。ありがとう」


笑顔の綾香ちゃんが俺の大きなお腹を撫でる。


綾香「よく蹴るねー」


「そうなんだよ。最近凄くて。この間も夜中に起こされたなぁ」


翔「あー俺もあったなぁ。嬉しいの通り越して痛いんだよなぁ」


「確かに…あいてて…」


強い衝撃に思わずうずくまってしまう。


翔「にの大丈夫?」


綾香「にのくん!」


「あっつ…」


何これ…いつもより強い…。


綾香「翔くん…これ…」


翔「あっ…!」


「え…何…?」


顔を上げると綾香ちゃんが指差した方を見て翔さんが驚いた顔をしていた。


「何なの…?」


翔「にの。落ち着いて聞いて」


「え…」


翔「………破水してる」


「は?」


立ち上がりながらお尻を触ると…びっしょり濡れていた。
フローリングには…水の様な液体が滴り落ちていた。


「嘘…後1ヵ月なのに…」


綾香「でも破水してるって事は…」


翔「産まれるんだよ赤ちゃん!」


「だ…駄目!まだ駄目!!」


翔「にの!?」


俺は慌ててお腹を抱えてしゃがむ。


「今産んだら早産になっちゃう。後2週間はお腹に居ないと危ないんだよ。37週まで待たないと…」


そうだよ…本で読んだ。
早産だと感染症とかの危険があるって…。
赤ちゃんそんな危険にさらせない…!


綾香「でも破水しちゃったら産まないと…」


「駄目…!後2週間は出さない!赤ちゃんが…」


翔「にの!」


ペチンと翔さんに軽く頬をはたかれる。


翔「もう赤ちゃん出て来たいって言ってるの!パパとママに会いたいって言ってるんだよ!なのにそのままにしてたら…赤ちゃんもにのも死んじゃうんだよ!!」


「………」


翔「赤ちゃんは大丈夫。もしかしたら保育器に入るかもしれないけど2000g越えてたら大丈夫なんだよ。もし足りなかったとしても…きっと乗り越えられるから。だから頑張って産むんだよ!パニック起こさないで!」


「………はい…」


翔さんの言葉で…力が抜けた。


そうだよ…赤ちゃんが出たいって言ってる。
産まなきゃ。


「産む…!」


綾香「よし。じゃあ行こう!」


俺は2人に支えられながら病院へと向かった。
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