第30章 家族の絆
ー和也sideー
「ひーひーふー。ひーひーふー」
翔「そうそう。ひーひーふー」
「あー…苦し…重い。腰痛い…三重苦…」
翔「ふふっ」
「笑い事じゃないですよ。翔さんよくこれに後1ヶ月半も耐えられましたね」
翔「あっという間だよ。大丈夫大丈夫」
「よいしょ…」
翔さんに手を引かれ、床からソファーに移動する。
2010年6月17日。
今日は俺の27回目の誕生日。
そして妊娠36週目。出産予定日まで約1ヶ月。
今日は家族が増える前、最後の誕生日。
お腹が大きくて動けない俺を気使っていつものメンバーで簡単にお祝いをする事になった。
「よいしょ…ありがと翔さん」
翔「いいよ。腰大丈夫?」
「ちょっと辛いけど…平気」
後1ヶ月で…この子に会える。
早く会いたい…。
俺はぼこぼこと動く大きなお腹を撫でた。
綾香ちゃんが買い出しして家に来てくれる。
智は『怪物くん』のスペシャルドラマの撮影。
潤くんも…新しいドラマの撮影に入ってる。
相葉さんはCMの撮影だった。
もうすぐ嵐としてのツアーも始まり…こんな忙しい時期にお祝いなんて…申し訳ない。
「ごめんね。せっかくの休みなのに」
翔「何言ってんだよ。せっかくの誕生日なんだからお祝いしなきゃ」
「ありがと翔さん」
翔「俺が子育て慣れなくて辛かったのをサポートしてくれたのは誰?これから恩返しが出来るかと思って楽しみなんだから」
「翔さん…」
翔「これでママ友になれるね」
「うん」
翔「太陽と仲良くなれるかなぁ」
「きっとなれますよ。男の子でも女の子でも」
赤ちゃんの性別は…教えてもらってない。
初めての子供だから…産まれるまでの楽しみにとっておきたいとさとしが言い出した。
どちらでもいい。
健康に産まれて来てくれれば…。
翔「あ。綾香ちゃんかな」
インターホンが鳴り、翔さんが立ち上がる。
一緒に俺もお腹を抱えて立ち上がった。