第28章 Big Fight
ー和也sideー
怒声が響いていた楽屋に静けさが戻る。
潤くんが反対してたのは…嫉妬だけじゃない。
翔さんの心配をしてたから。
また…あんな頭のおかしいストーカーが出て来ないとは限らない。
しかも翔さんの綺麗なヌードなんてさらしたら…。
翔「潤…」
潤「………ごめん。今は話し合いにならないと思うから。冷静になりたいんだ。じゃ…」
荷物を抱え、うつむき加減で翔さんの横をすり抜ける潤くんの目には…涙が光っていた。
翔「潤っ…」
楽屋を出た潤くんを追い掛けようと…翔さんは一歩踏み出したけれど…出来ずに立ち止まってしまった。
そのまま潤くんは…楽屋を出て行った。
智「………愛だな…」
雅紀「………愛だね…」
「不器用ですね潤くんも…」
翔「潤…」
翔さんがぐずぐず泣きながら俺に抱き着いて来た。
「どうするんですか?翔さん」
翔「ぐすっ…一度受けた仕事断る訳にはいかない。それに…脇坂さんと話して…俺もやってみたいって思ったから」
「本当…ストイックですね翔さん」
雅紀「じゃあ…どう仲直りするの」
翔「………分かってもらうしかない。説得続けるよ。撮影まで1ヶ月半あるから…」
「潤くんなら分かってくれますよ。優しいから」
翔「うん」
智「おいら達も…フォローするからさ」
翔「あの…潤…今日帰らないって言ったから…」
和「ふふっ。良いですよ。泊まりにおいで?」
「ありがと…智くん…いい?」
智「当たり前じゃんか」
翔「うん…ありがと…」
雅紀「今日は帰ろ。翔ちゃんもゆっくり休んで?」
翔「うん…ありがとね」
俺達は翔さんを囲む様にして…楽屋を出たのだった。