第27章 Tears
ー潤sideー
「だからー…にのの事励ましてただけだって翔」
翔「………」
ぷいと横を向いたまま、翔は拗ねている。
俺がにのを抱き締めてたのを見てから…口を聞いてくれない。
いや…ヤキモチは嬉しいけど…。
「頼むからそんなに怒らないでくれよ…。たかがハグだろ?」
翔「たかが…ハグ?」
翔が目を光らせながら俺の方を振り向いた。
翔「へー…たかがハグ…。潤は誰とでもそんなに簡単にハグするんだ。俺とハグする時もそんな大した気持ちも持たずにハグしてんだね」
「いや…違うって」
翔「何が違うの?今潤が言ったんじゃん。『たかがハグだろ』って」
「いやその…言葉のあやっつーか…」
翔「潤なんて知らない。いいじゃんこれからは誰とでもハグすれば?智くんでも相葉くんでも綾香ちゃんでも!」
和「翔さん…そんなに怒らないで…」
翔「やだ。嫌い。潤なんて嫌い。尻軽。ヤリチン」
「ヤリチンはないだろ翔」
翔「うるさい馬鹿。もう寝る。お休みにの。ゆっくり休んでね。智くんによろしく」
にのに手を振って翔はリビングを出て行った。
「あーもう…」
和「ふふっ…翔さん可愛いなぁ」
にのが笑いながらローズヒップティーを飲む。
「いや…可愛いけどさ…一旦怒るとすぐ許してくんないからなぁ…」
和「でもああいう風にヤキモチ全面に出せるのは羨ましいです。俺は…ひねくれてるから分かりやすく出来ない」
「そうなの?」
和「うん。しかもさとしはあんな感じでしょ?全然伝わらないから余計に苛立っちゃって悪循環なんですよ」
「ふふっ」
和「もうすぐさとし帰って来るから潤くん先にどうぞ?早く行ってあげなきゃ翔さんまた拗ねますよ」
「そう…か?ごめんなじゃあ…お言葉に甘えます」
和「多少うるさいのは我慢しますから」
「あ、あはははははは。おやすみ」
俺はそのまま急いで寝室に向かった。