第27章 Tears
ー潤sideー
「ただいまー…」
玄関を開けるとパタパタとこちらに向かう足音がする。
「ただいましょ…にの」
鍵を置いて振り返ると笑顔のにのが立っていた。
和「お帰りなさい潤くん」
「こんな時間まで居てくれたのか。ありがとな」
和「ううん。ご飯食べる?鯛めしに揚げ出し豆腐、そして鶏肉のソテーにサラダだよ」
「おー美味そうだな。食べる食べる」
和「じゃあ準備するよ」
「サンキュ。翔は?」
和「ソファーで寝ちゃってる。俺じゃ運べなくて」
「分かった」
リビングに入るとソファーで翔は眠っていた。
にのが掛けてくれたのだろう。ブランケットが身体に掛かってる。
「寝かせてくるね」
和「うん」
起こさない様に翔を姫抱きすると俺は寝室へと向かった。
寝室に入るとベビーベッドで太陽は静かに眠っている。
ゆっくりと布団に寝かせると服を脱がせ、パジャマに着替えさせる。
翔「ん…」
ゴロリと寝返りを打つが起きる気配が無い。
「お休み翔」
唇にキスした後、布団を被せる。
太陽を見ると…いつもの如く布団を蹴って眠っていた。
「寝相悪いのは母親似だな」
布団を被せるとおでこにキスをする。
「お休み太陽」
上着だけ脱ぎ、俺はリビングに戻った。
「いい匂いだな」
テーブルの上には温め直された料理が並べられている。
「りーだーはまだ?」
和「うん。帰りそのままこっちに迎えに来てくれるって」
「もう泊まりなよ。遅いしさ」
和「いいの?ありがと潤くん」
「いいえ。にのには世話になってるからな」
和「そんな事ないよ。ささ、冷めない内にどうぞ」
「そうだな。頂きます」
椅子に座り、俺は両手を合わせた。