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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第27章 Tears


静かにノックをして病室に入ると翔はリクライニングを上げたベッドの上でジッと窓の外を見つめていた。


俺は何も言わずに…椅子に腰掛け、翔の手を握る。


翔「………潤。来てくれたの…」


「来るに決まってるよ」


翔「ありがとう。ごめんね…こんな夜中に」


「翔が謝る事ない」


翔「………ごめんなさい…」


ぽつりと翔が呟く。


翔「妊娠した事にも…気付いてやれなかった。疲れが溜まってるんだろうって…思ってた」


「妊娠初期なんだから気付くのが難しいよ。翔は悪くない」


翔「二度も…こんな事になるなんて…」


翔がぎゅっと俺の手を握る。


翔「潤…」


「ん?」


翔「前の流産の時…先生が言ってたよね。妊娠しにくいかもしれないって」


「………うん」


翔「本当は…俺…もう子供産めないんじゃないのかな…」


「翔」


翔「だって…そうじゃなきゃこんな事に…」


「馬鹿な事言うなよ…!」


俺は立ち上がり翔の身体を抱き締めた。


「きっと授かる。信じよう。それにもし授からなくても…俺達には太陽が居るだろ。太陽1人なら…太陽だけに全力で愛を注げば良い。そうだろ?」


翔「潤…」


ぽろぽろと翔の瞳からこらえていた涙が溢れ出す。


翔「潤…3人欲しいって言ってた…それ…叶えられなくてもいいの…?」


「いいよ。翔と太陽が居れば俺はそれで充分幸せなんだから」


翔「ぐずっ…それでも…潤のお嫁さんでいて…いいの…?」


「当たり前だろ。俺のお嫁さんは翔しか居ない。馬鹿な事言うなよ」


翔「潤っっ…」


「気楽に待とう。いつか授かる。でも授からなくてもいい。無理は禁物なんだから」


翔「潤…!」


涙を流す翔を抱き締めながら俺は優しく翔の背中を擦った。
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