第27章 Tears
ー翔sideー
『櫻井さん…櫻井さん…!』
「ん…?」
ふと目を覚ますと…マネージャーが心配そうに俺を見つめていた。
翔マネ「大丈夫ですか?顔色悪いですよ」
「あ…うん…へーき…」
楽屋でいつの間にか眠っていたらしい。
夕方ソチから帰国してそのままドラマの撮影に入った。
そして今日はドラマの放送日。
エンディングに生放送がある。
そして明日はZEROの放送日。
休憩の合間にイチメンのチェックをしていたら…いつの間にか眠っていたみたいだ。
「もう時間か…」
翔マネ「櫻井さん…体調悪いなら病院へ…」
「何言ってんだ生放送の前に。やれるから大丈夫」
翔マネ「でも…」
「俺がやるって決めた仕事だから。もう自分の都合で穴開けたくない。やらせて」
翔マネ「じゃあ…約束して下さい。明日病院に行くって」
「分かったよ…行く」
翔マネ「良かった。でも本当に無理は禁物ですからね」
「うん」
俺は資料を手に持ち、立ち上がる。
「あっ…」
急に立ち上がったからか、いきなり酷い目眩に襲われる。
翔マネ「櫻井さん!」
「ごめん…ありがと…平気…」
翔マネ「……でも…」
「終わったら病院行くから。だからやらせて」
俺はマネージャーの言う事を聞かずに、そのままスタジオへと向かったのだった。