第26章 救世主
「うわっ」
ベッドに勢いよく放り出され転がってしまった。
「ちょっとさとし!」
顔を上げると何も言わずにさとしは俺に馬乗りになってくる。
暗闇の中にうっすら見えるさとしの顔は…本当に男前だった。
智「まだ言わねぇのか?」
「い、言わないってばぁ…だってさとしだって翔さんと気持ちよくなってたじゃん」
そうだよ…『智くん』なんて言われて興奮するって言ってたくせに…何で俺が責められるんだよ馬鹿…。
俺はさとしの肩を押しながら顔を背けた。
「翔さんの方が美人だし…素直だもん。向こうのが良かったんでしょ?」
智「………」
「どうせ俺なんて色気ないしひょろいし…こんなんじゃそう思われても仕方な…」
最後まで言う前に唇を塞がれる。
「んー…や…」
ぬるっと一気にさとしの舌が滑り込み、俺の舌を捕らえられる。
いつもと違う…乱暴なキス…。
「んぅ…くる…ひ…」
お構いなしに舌を吸われながら…あっという間に裸にされた。
「んんー!」
そのままいきなり蕾に指が入って来る。
「んぁ…さと…待っ…」
無理矢理そこを広げる様に指が動く。
でもポイントを押さえたその動きは痛みを感じず…むしろ早急に俺を快楽に導いた。
あぁ…この指使い…やっぱり最高…でも…息が苦しい。
「も…やん…ふぅ…」
さとしも呼吸がままならず、はぁはぁと息継ぎしながらそれでもキスしながら指を動かしていた。
「んー!」
いいところを掠められ、びくんと身体が跳ねる。
「やぅ…や…で…んんぅ…」
何度もそこを押され一気に高みへと上り詰めた。
「や、は…ふぁんっっ!!」
そのまま俺は白濁を放ってしまった。
「ふぁ…ん…」
ようやく唇が離れる。
………口の周りが…冷たい。
きっと…涎でべちゃべちゃなんだろう。
俺今…酷い顔だ…。
智「………何て顔してんだ…」
ぽつりとさとしが呟いた。