第26章 救世主
ー潤sideー
「翔…翔!!」
ペシペシと翔の頬に触れるが翔は全く目を覚まさない。
智「かず!おい!!」
隣では同じ様にりーだーがにのの身体を揺さぶってる。
お稲荷さんの鳥居から離れた瞬間、翔のにのは同時に意識を失い倒れてしまった。
抱えて車まで戻って来たけれど…まだ目を覚まさない。
雅紀「あやちゃん…どうなってんの?」
綾香「もしかしてこれって…」
あやちゃんが何か言い書けた時、ゆっくりと抱き締めていた翔の目が…開いた。
「翔!俺だよ分かる?」
和「………くん…」
「え?」
和「………潤…くん…?」
「潤くんて…え…」
智「かず!?かず…!」
翔「………とし…くん…?」
智「え?」
翔「智くん…」
「………マジか。翔くん?翔くんなのか?」
隣でりーだーが声を上げる。
という事は…。
「にの…?」
すると静かに…こくりと頷いた。
俺達は慌てて抱いていたお互いの嫁の身体を交換し、俺は…翔の顔を…覗き込んだ。
「翔?翔なのか?」
翔「潤…」
覚醒しながら俺に微笑みかける翔を俺は強く抱き締める。
「戻った…!戻ったよ翔!!」
翔「ん…みたい…」
隣では同じ様にりーだーがにのを抱き締めて喜んでる。
雅紀「わぁい!戻ったぁ!!」
綾香「ま、まーくん」
便乗して相葉くんがあやちゃんを抱き上げてた。
翔「お狐様に…会ったよ」
「お狐様?」
翔「うん…油揚げ美味しかったって」
「そっか。じゃあまたお供えに来ないとな」
翔「うん。ねぇ潤…」
翔の手が伸び、親指で俺の唇を撫でる。
翔「キス…して?うんと深くて…甘いの…」
「ふふっ、了解。奥さん」
翔を支えながら俺は翔のリクエスト通りの深くて甘いキスをした。
数日振りなのに数年振りの様なそのキスは…とても甘くて蕩けそうだった。
こうして翔とにのの入れ替わり騒動は…幕を降ろしたのだった。