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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第26章 救世主


ー翔(和)sideー


雅紀「2人共何か変わった?」


「特には…」


和(翔)「お供えしたからって…戻るとは限らないもんなぁ…」


潤「まぁ、とりあえず帰ろうよ。また考えるとしてさ。やれる事はやったんだから」


綾香「うん。私もまた協力するから」


和(翔)「ありがとうあやちゃん」


智「じゃあ帰るべ」


俺達は神社を後にして来た道を戻って行った。
………筈だった。


「あれ?」


和(翔)「潤?」


「………さとし?」


和(翔)「え?皆は…?」


いつの間にか周りは深い霧に包まれ…俺と翔さんだけがその場に取り残されていた。


「嘘…皆は?」


和(翔)「分かんない…」


「さとしー!相葉さーん!!」


和(翔)「じゅーん!あやちゃーん!!」


周りに大声で呼び掛けるけど…何の反応も無かった。


「先に車に戻っちゃったのかな…」


すると…


和(翔)「に、にの…あれ…」


「え?」


脅えた翔さんが俺に寄り添い、手を握って来た。


「翔さん?」


和(翔)「あ、あ、あれ…」


震える手が伸び、後ろを指差した。


「え?あ…」


翔さんが指差した方向には…何故か霧が掛かっておらず、さっきの神社まで開けていた。
そして…その神社に奉られたお稲荷様からぼんやりと光が…こちらに向かって来る。


「ひぇ…」


和(翔)「お、お化けお化けお化け…」


ヘタレな翔さんは泣きそうになりながら俺の後ろに回り込み、しがみついて来た。


「ちょっと翔さん止めてよ!」


和(翔)「やだお化け怖い!俺無理!!」


「俺だって嫌ですよ!隠れないで!俺死にたくないもん!」


和(翔)「やだ!俺の方がやだ!太陽残して死ねないもん!!」


「子供出すのズルい!!嵐は民主主義!平等!!」


和(翔)「やだー!怖い怖い!!」


俺達が揉み合っている内にふと気付くと…その光が俺達の目の前までやって来た。


和(翔)「ひっ…!」


そして…それが影となり、俺達を包む様に一気に広がった。


和(翔)「きゃー!!!」


「いやー!!!」


俺達の悲鳴が霧の中にこだました。
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