第26章 救世主
綾香「私ね…まー君にも言ってなかったけどおばあちゃんがイタコさんなの」
コーヒーを飲みながらあやちゃんが俺とにのを見つめる。
全員「え!?」
俺達全員が声を上げた。
雅紀「イタコって…霊能力の?」
綾香「そう。昔だけど…おばあちゃんとこでちょっとだけ修行した事あって。それでね…私霊的なものに加えてオーラが見えるの…人のオーラ」
全員「オーラ!?」
綾香「見た瞬間分かったの。入れ替わってるって」
「すげーな…」
智「はぁー…」
綾香「人ってね、それぞれ顔や性格や体型が違うようにオーラも人それぞれ違うの。会う機会が多かったから2人のオーラが入れ替わってるってすぐ分かったんだ」
和(翔)「そ、それで…他には何か分かった?」
「………狐…」
雅紀「狐?」
「うん。狐が見えたの…」
「翔。にの。心当たりある?」
「えー…狐?」
翔(和)「んー…」
にのと2人で腕組みをして考える。
「分かんない…」
雅紀「あやちゃん…もっと何か分かんない?」
綾香「うーん…狐…まだ子供かな?私が思ってるより小さいの後は………ん?」
潤「どうした?」
綾香「ハンカチ…」
智「ハンカチ?」
綾香「ハンカチが見える。その子の足首にハンカチが巻かれてる」
「………あ…」
翔(和)「あーーーっ!!」
にのと顔を見合わせて声を上げる。
潤「何か分かった?」
「あのね、にのと智くんが泊まりに来た日…2人で買い物に行ったじゃん?帰り道で子狐に会ったの!」
翔(和)「そうそう。うずくまってたから気になって車降りたんだよ。そしたら怪我してたから…ハンカチで手当てして…そしたら帰ってった」
智「じゃあそれのせい?」
雅紀「狐の呪い?助けたのに?」
綾香「違う…そんな負の感じじゃないの…。もっと高貴な…凄いオーラなの」
「高貴な…オーラ?」
綾香「うん…」
潤「………とりあえずさ…その子狐に会った場所に行ってみない?何か分かるかもよ」
「………そうだね。行こう」
翔(和)「うん!」
俺達は立ち上がり、その場所に向かう事にした。