第24章 お稲荷様大パニック
ー智sideー
「………はぁ…」
かずを抱き締めたまま、少し明るくなった窓を見つめる。
「もうこんな時間か…」
時計に視線を移すと…午前5時。
かずと翔くんが入れ替わってから…あまり眠れない。
俺の腕の中で熟睡してるかずを見つめる。
すやすやと寝息を立てる…翔くんの姿をしたかず。
抱き心地も…その香りも違う。
翔くんの身体がいけないんじゃない。
おいらにとって…かずの身体が心地よくて…。
いくら中身がかずでも…違和感があり過ぎる。
寝付けない。
悶々と考えていると…隣の部屋の扉が開く。
足音がそのままリビングへと消えていった。
今日確か…皆休みだったよな。
かずを起こさない様にして…おいらはベッドを抜け、寝室を後にした。
リビングへと入ると…心地いいコーヒーの香りに包まれる。
潤「あ、おはようりーだー」
「松潤だったんか。おはよ」
潤「コーヒー飲む?」
「おう。サンキュ」
椅子に座り、松潤の横顔を見つめると…しっかりと目元に浮き上がる隈。
もしかして…。
「………松潤も眠れなかった?」
潤「も、って…りーだーも?」
「………うん。何か…違和感…翔くんが悪くないんだけど…かずの身体に慣れてるから…」
潤「俺も…。にのの身体だと抱き心地が…」
「………」
潤「どうしたらいいんだろ…」
「どうだろ…あ、サンキュ」
渡されたコーヒーを一口飲むと一気に身体を優しさに包まれる。
潤「こんな時にこういう事言うのはあれなんだけどさ…」
「んー?」
潤「3日してないとその…溜まるんだよね」
「ぷははっ!さすが絶倫大王!」
思わずコーヒーを吹き出してしまう。
見ると切羽詰まった表情でおいらを見つめる。
潤「笑うなよ…」
「ごめんごめん…」
潤「りーだーだってさ…する予定だったんだろ?思いきりセックス」
「だよなぁ…でも今ヤれないだろ…。中身翔くんだし…向こう抱いても身体翔くんだしなぁ…」
潤「そうなんだよ…浮気になるよなぁ」
そんな時ふと、脳裏に浮かぶ疑問。
「でも…身体が嫁ならさ…浮気なんかな?浮気じゃない様な気がする…」
潤「え…」
驚いた顔で松潤がおいらを見つめていた。