第24章 お稲荷様大パニック
「はー…疲れた…」
寝室に入ると、既に智はベッドでうとうとしている。
「さとし…寝た?」
智「ぐぅ…」
使っていた資料をベッド脇に置いて布団に潜り込む。
翔さんの説明…凄く分かりやすいけど…でも頭がパンクしそう。
改めて翔さんが…報道の仕事に大してどれだけの熱量で挑んでるか身にしみて分かる。
努力を惜しまない人。でも…それを人には見せないストイックさ。
凄いなぁ…本当に尊敬する。
俺…上手く乗り切れるのかな…。
「さとし…起きてよ…」
何で先に寝るんだよ馬鹿。
疲れたからぎゅってしてもらいたかったのになぁ。
智にしがみつき、そっと唇を重ねる。
智「ん…」
智の身体がピクリと動いた。
智に抱き着いたまま何度も唇を啄んでるとゆっくりと智が覚醒する。
智「んん…?んぉっ!!」
いきなり肩を掴まれ引き離された。
智「しっ、翔くん!!」
「へ?さと…?」
智「あ、ああそっか…。かずなんだよな…」
「………」
智「ごめん。びっくりしたから。何か…いつもと唇の感触も違うし…」
「ごめんね急に」
智「かずが謝る事ねぇよ。勉強終わったんか?」
「うん」
智「お疲れさん。おいで」
いつもの智の笑顔で抱き締められる。
俺はゆっくりと背中に手を回した。
智「………何か…」
「ん?」
智「いやごめん。中身はかずだって分かってんだけどな…。いつもと抱き心地が違うから…」
「そっか…そうだよね…」
智「大丈夫大丈夫。じゃ寝るべ。おやすみ」
「おやすみ…」
俺はそのまま智に抱き締められながら、慣れない仕事の事もあって直ぐに眠りに落ちたのだった。