第24章 お稲荷様大パニック
ー翔(和)sideー
プロデューサー「櫻井さんおはようございます」
翔(和)「お、おはようございます」
プロデューサー「やっとまた貴方とお仕事出来て嬉しいです。今日からまた宜しくお願いします」
「よ、宜しくお願いします…」
テーブルを向かい合わせ、俺達は挨拶をした。
あの日から2日経っても俺と翔さんが戻る気配は無く、こうして翔さんの仕事復帰は俺がやる羽目になった。
翔さんにキャスターの仕事の事教えて貰ったけど…殆ど意味が分からない。
どうしよう…絶対出来ないよ…。
プロデューサー「………さん。櫻井さん?」
「え?あ、すみません」
プロデューサー「今度のイチメンのテーマの話ですよ?」
「すみません。はい」
駄目だ。集中しなきゃ。
俺の失敗は翔さんの失敗になる…。
「鳩山由紀夫新政権の話ですよね。民主党初の…」
翔さんに頭に叩き込まれた事を思い返しながら、俺は打ち合わせを進めていった。
和(翔)「にのお帰り。どうだった?」
「はぁ~。翔さぁん…づっがれだぁ~」
玄関まで迎えてくれた翔さんに俺はふらふらと抱き着いた。
「社会保険庁改革関連法案…2010年1月に社会保険庁の後継組織「日本年金機構」を発足させる方針…ぶつぶつ…」
和(翔)「あー…今度のイチメンの…」
「ニュース…もっとちゃんと観とけばよかったぁ…」
和(翔)「大丈夫。今夜また勉強しよ」
「ふぇ…」
ぽんぽんと翔さんに背中を擦られながら俺はリビングへと歩いて行った。
まだまだ…俺達の苦労は続きそうだ。