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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第23章 CHANGE!!


和「あれ…翔さんあれって…」


「ん?」


ふと、にのが道路脇を指差す。


和「………犬?」


茶色い生き物が…うずくまっていた。


和「大丈夫かな。元気無さそう」


「………うん」


俺はハザードランプを出し、車を脇に止め、降りた。


和「あ、狐…?」


よく見ると、その子はまだ幼い子狐で。
近付くと顔を上げ、俺達を見つめた。


「怪我してない?足のとこ」


和「本当だ…」


野良猫にでも襲われたのだろうか。
足首に噛み傷があり血が滲んでいた。


和「おいで?怖くないよ」


にのが手を差し伸ばすと…少し警戒した様子で手をクンクン嗅いでる。


「確か…あれ買ったよな」


俺は車に戻り、後部座席に置いた買い物袋をガサガサする。


「あった。マキロン」


和「ん?」


「これで消毒出来ないかな。子供にも使えるやつだから」


和「いいね」


俺は傷口に軽くマキロンをかけ、持っていたハンカチで傷口を縛る。
さほど嫌がる様子も見せずにその子狐は俺達をジッと見上げていた。


和「ここ危ないからね。歩ける?早くおうちに帰りな」


子狐「くぅ~ん」


そう鳴くと子狐は立ち上がり、何度か俺達を振り返りながら、奥の林の中へと歩いて行った。


「気を付けてな。バイバイ」


子狐が見えなくなるまで俺達は手を振った。


「大した事無いみたいだね。ビッコも引いてなかったし。良かった」


和「うん。よし帰ろうか」


「そうだね」


俺達は車に乗り込み、我が家へと帰って行った。





この事が…俺達を大騒動に巻き込むきっかけになってしまったとは…この時は誰も気付く筈も無かった。
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