第20章 Scream
殴られた衝撃で俺はベッドに崩れ落ちる。
鼻腔に広がる鉄の香り…。
鼻に手をやると大量に出血していた。
シーツにボタボタと鼻血の染みが広がる。
骨…折れた…?
料理が音を立ててトレーごとベッドの下に散らかる。
佐伯さんは…ベッドの上に仁王立ちになっていた。
「………げふっ…」
吹き出す鼻血を…俺は手で押さえながら彼を見上げる。
佐伯「何で…何でその名前を出すんだ…何でぇっっ!!」
「げほっ…!」
思いきりお腹を蹴られる。
俺は咄嗟に両腕でお腹を庇った。
佐伯「あいつの名前は呼ぶな!呼ぶな!!呼ぶなぁっっ!!」
「や、止めて…お腹は止めて…!」
佐伯「殺してやる!松本潤!!殺してやる!!死ねっっ!!」
何度も何度も…お腹を蹴られた。
必死で丸まりながら俺はお腹を庇う。
佐伯「お前は俺の物だ!あんな男の物じゃない!俺の物だ!俺と結婚して俺の子供を産むんだ!!」
「俺妊娠してるんですっ…」
我慢出来ずに俺は声を上げた。
佐伯「………な、に…?」
「げほっ…だからお願い…お願いします…お腹は蹴らないで…」
佐伯「………」
彼の動きが止まる。
佐伯「そうか…なら…ちゃんと始末しないといけないな…」
「え…」
その顔に…ゾッとする程の笑みを浮かべながら片足をトントンと慣らしている。
「や…止めて…」
佐伯「ちゃんと殺してあげる。それから…子作りしようね」
その言葉と共に…彼の足がお腹に降ってくる。
「止めてぇっ…」
俺はただ、身体を丸めながらお腹を庇う事しか出来なかった。
「いっ、たい…止めてっっ…」
佐伯「はぁっ…はぁっ…俺の物だ…翔…翔…」
乾いた蕾に何度も突き上げられる。
「いやっ…お願い止めて……痛いっっ…」
何度も彼の胸を押し抵抗するけど相変わらず力では敵わなくて。
ただなすがままにされるしかなかった。
佐伯「どうしてっ…昨日みたいに俺を求めてくれよ翔っっ…」
何度も何度も…人形の様に俺はその身体を揺さぶられた。