第20章 Scream
ー智sideー
ジュリー「佐伯剛男。42歳。住所は杉並区…」
テーブルに並べられた数枚の写真と書類を見つめる。
身長190センチはあろうかという程の大男。
確かに…何か見覚えのある男だった。
この男が…翔くんを…。
刑事「勤務態度も真面目、遅刻や欠勤も無し。仕事の評価は高かったみたいです。しかし…熱狂的な櫻井さんのファンというのは同僚も知っていたみたいです。櫻井さんの事になると暴走気味というか…。櫻井さんがあのテレビ局でスケジュールのある日は必ず出勤にしろと。そして嵐のコンサートの日は必ず有休。地方にも行ってたみたいです。だから上司は佐伯の都合に合わせてシフトを組んでいたみたいですよ。ただ…櫻井さんが来ない日は交代で夜勤になっても緊急の出勤にも一才文句を言わずに従ってたんで…目をつむってたみたいです」
ジュリー「自宅には?」
刑事「戻った形跡はありません。別の場所に居るのではと…」
水面下で行われている捜査は難航していた。
あの駐車場からの足取りが掴めないまま、もうすぐ半日が経とうとしていた。
潤「………早く探せよ…」
黙って椅子に座っていた松潤が低い声で呟く。
潤「何やってんだよ…あんた警察だろ」
ジュリー「潤」
潤「さっさと探せよ!頼むよ!!翔を探してくれ!!」
「松潤…!」
腕を伸ばし、刑事さんの胸ぐらを掴む松潤を俺と相葉ちゃんで押さえた。
雅紀「松潤落ち着いて」
「落ち着ける訳ねぇだろ!今頃翔は…翔は…!!」
雅紀「………直ぐに見つかるから…」
「ふっ、う…翔…翔…」
相葉ちゃんが松潤を抱き締め、松潤はまた泣き出した。
潤「何で着いててやらなかったんだ俺…普通の身体じゃないのに…何で…」
「自分を責めるな。松潤のせいじゃないよ」
松潤の背中を擦った。
松潤は泣きながら首を振る。
潤「俺のせいだ…俺の…うぅっ…」
泣きじゃくる松潤の側に着いてやる事しか…今の俺達は出来なかった。