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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第19章 慟哭


ー潤sideー


俺とヒナは急いで車を走らせ、テレビ局に辿り着いた。
そのまま中へと走り、スタジオへと向かう。


スタッフ「あれ?松本さんと村上さん」


また仕事をしていたスタッフは驚いて俺達を見つめる。


村上「はぁっ、はぁっ…ヨコと翔くんは?」


スタッフ「櫻井さんならもう終わって帰られたと…。横山さんも来てましたけど直ぐに居なくなりましたよ?」


「………楽屋行ってみよう」


俺とヒナはそのまま楽屋に足を走らせた。


「翔!!」


楽屋に入ると…そこはもぬけの殻。
けど…荷物はそのままだった。


村上「これ翔くんの私服?」


ヒナが指差した場所に丁寧に畳まれた翔の服。


「うん…家出る時それ着てた…」


村上「着替えてないって事は…まだここに居るってことなんか?」


「多分…翔…何処だ…」


村上「あ…!」


ヒナが何かを思い付いた顔をする。


村上「あいつ…最近よく1人で籠っとった…あまり使われん楽屋に」


「………何処?」


村上「………突き当たりの…1番奥の楽屋…」


それを聞いたと同時に俺は楽屋を飛び出していた。


少し薄暗い廊下の奥にその部屋はあった。


「翔!!」


声を上げながら扉を開けようとするが鍵が掛かっていた。


村上「ヨコ!!そこにおんのか!?おるんやったらここ開けろ!!馬鹿な事すんなや!!」


扉を叩きながらヒナが叫ぶ。


返事は無い…。ここじゃないのか?そう思った時…。


翔「た…助けてっっ…!!潤っっ…!!助けてぇっっ…!!」


中から翔の悲鳴が聞こえた。


「翔!!待ってろ!!」


俺はヒナと一緒に扉に何度も体当たりした。


翔「ヨコ…離して!!」


横山「嫌や…嫌や!!」


中から声が聞こえる。


くそっ…開け!!


何度目かの体当たりの後、ようやく扉が開いた。
そのままの勢いで倒れ込む様に部屋に入った。


「………翔っっ!」


俺の目に飛び込んできた光景は…泣きながら暴れる半裸の翔と…その翔に馬乗りになり押さえつけながらキスをするヨコの姿だった。
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