第19章 慟哭
ー翔sideー
「んーっっ、んんーっっ!!」
ヨコの腕の中で俺は必死に身を捩った。
でも…どこからそんな力が出てくるか分からない位…ヨコに強い力で押し付けられる。
すると…ヨコがポケットからおもむろに…タオルを取り出す。
そしてそのまま両腕を縛られた。
ヨコ…最初からこうする気だった…?
横山「頼むから暴れんでくれ…出来るだけ傷付けたくないんや」
「っっ…」
俺は首を横に振る。
横山「はぁ…」
諦めた様に…ヨコはため息を付く。
誰か…お願い誰か気付いて…!
ヨコの手が伸び、一気にシャツを引き裂かれ、辺りにボタンが飛び散る。
「んーっっ!!」
ヨコの手が…俺の肌を撫でた。
横山「翔くん…綺麗や」
顔を下げ、お腹にキスされる。
お腹…脇腹…ヨコの唇が上がってくる。
「ふぅっ、んっっ、んんーっっ!!」
そして…胸の飾りを捉える。
背筋にゾクゾクと走る嫌悪感…。
嫌だ気持ち悪い…!
潤以外の人に触れられるなんて嫌だ…嫌っっ…!!
横山「愛してる…翔くん…やっと…やっと俺のもんに…」
飾りに吸い付き、舌で転がされる。
「んっっ…ん…」
身体が震える。
助けて…潤助けて…!!
潤「翔!!翔ーっっ!!」
横山「っっ!!」
向こうから…潤の声がする。
一瞬幻かと思ったけど…。
潤「翔!!そこに居るのか!?翔!!」
ガチャガチャと乱暴にドアノブが回り、ドンドンと扉を強く叩く音がした。
潤…!!来てくれた…!
村上「ヨコ!お前そこにおんのか!?おるんやったらここ開けろ!!馬鹿な事すんなや!!」
「んんーっっ!!」
口を押さえるヨコの手が強くなる。
俺は力を振り絞ってその手に思いきり噛み付いた。
横山「いって…!!」
反動でようやく口が開放される。
「た…助けて…!!潤っっ!!助けてぇっっ!!」
俺はありったけの声を上げて叫んだ。
潤「翔!!待ってろ!!」
横山「………くそっ…!!」
ヨコは…離れまいと俺に抱き着いた。
何度も扉を蹴る音がする。
「ヨコ…離して!!」
横山「嫌や…嫌や!!」
「んんっっ…!」
顎を掴まれ、唇を押し付けられる。
「ふぅっ…や…」
その瞬間、大きな音と共に扉が蹴破られた。