第16章 1st Anniversary
「ちょっと翔。そろそろ止めようか」
翔「んん~なぁにぃ?」
テーブルに並ぶ空になった熱燗や焼酎の瓶。
そしていつになく酔っ払った我が嫁の姿。
その嫁は俺が止めようとしてもお酒を口へと運んでいた。
流石にこれは飲み過ぎだけど…初めてだな翔がこんなに酔っ払ったの。
お酒強いのにな…ベロベロだ。
翔「んふふ~おいち」
「ほらもう駄目!片付けるから」
翔「やぁ~らぁ~まだ飲むの!」
「それ以上飲んだら明日二日酔い酷いよ?いいの?」
翔「しらなぁい。飲みたいんだもんっ」
グラスに焼酎を注ぎ、一気に煽った。
「こら!せめてお湯で割りなさい!」
翔「ごくっ、ごくっ…」
「翔!どうしたんだよ今日は」
無理矢理グラスをひったくり、テーブルに置く。
翔「やらぁ~しょぉの!」
「しょぉ?」
翔「しょぉのおさけだもんっ」
しょぉって…か、可愛い…って、いかんいかん。
「もう終わりね?」
翔「むー…」
唇を尖らせて拗ねるその姿はまるで子供だ…。
翔「ねぇじゅん!ろくがしないの?」
「ん?」
翔「けっこんしきのときはぁ~とったじゃんやらーしぃの~とらないのぉ?」
………あのハメ撮りの事言ってんのか?
翔「ねぇ~じゅん。じゅんじゅんー」
「じ、じゅんじゅん…?」
翔「じゅんじゅんはぁ…しょぉのはだかはもうみたくないの?」
「い、いや…見たいけどさ…こっちは我慢してんだよ?もう3回したしさ…酔っぱらってる時にすると後で怒るでしょ…」
翔「とってよぉ、ねぇ。じゅんじゅんとってぇ!」
「分かった明日。ね、明日撮ろう」
翔「やらぁ!いまからとるのぉ!じゅんじゅんとってぇ!」
翔がぽかぽかと俺の頭を叩いた。
「痛い痛い痛い!分かった!分かったから!」
翔「わかればよろしい。はやくとるのら!」
「はいはい…全くもう…」
鞄の中からカメラを取り、俺は翔を撮り始めた。
翔はテーブルに座り、満足そうに微笑んだ。
翔「んふふ♪かわいくとれてる?」
「撮れてる。可愛いよ翔」
翔「せくしー?」
「はいはい。セクシーだよ」
翔「ほんとぉ?」
するとおもむろに翔が片足を上げ、テーブルに着いた。