第74章 Renewerd
看護士さんが産着に包まれた子供を俺に渡す。
ゆっくりと抱き抱えるとかずに見せた。
和「さと…」
「頑張ったな。ありがと…」
和「良かった…」
「抱けるか?」
和「ん…」
かずを支えながら抱っこさせる。
微かに動いたその子を俺とかずでジッと見つめた。
「大野家にようこそおチビ」
和「名前…まだ決まってないの?」
「だって…絶対男だと思ったし…」
和「んもう。自分が男の子が良かったからって…ねぇ?駄目なパパですねぇ。産まれて初めての贈り物用意してくれないなんて」
かずが笑いながらその小さな手を握る。
「………うーん…だってなぁ…これで4人中3人が嫁に行くってなると…いやいや。行かせねぇしね。ずーっとパパと暮らそうな」
和「ふふっ、また…」
看護士「それじゃ大野さん処置してお部屋に戻りましょうね」
「あ、はい。お願いします」
赤ん坊を渡してかずの手を握り直す。
「じゃあまた後でな。お疲れさん」
和「うん」
かずの髪を撫でて、そのまま俺は分娩室を後にした。