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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第74章 Renewerd


ー智sideー


2018年9月初旬。
20周年ツアーまで約2ヶ月になろうとしている頃だった。


和「はぁっ、はぁっ…ふ…」


分娩室に入ってもうすぐ3時間。
俺はタオルを出してかずの汗を拭くとまた手を握る。


医者「もう次で産まれそうですね。最後ですよ大野さん。頑張りましょうね」


和「はい…!」


「大丈夫。後少しだからな」


和「ん…良かった」


「ん?」


和「和香は…さとし立ち会えなかったから。今度は…さとしが居て良かった…」


そう言って少し微笑むかずが本当に綺麗で愛しく思えた。


「これしか出来ねぇから」


和「充分だよ…」


「ありがとな…4人も…子供…」


和「幸せなんだって」


ぎゅっと手を握り返すかずに周りを気にせずそっとキスをした。


和「ん…来た…!」


医者「深呼吸して。まだ気張らないでね」


和「ふぅっ、はぁっ」


「頑張れ…!」


かずの顔がまた苦痛に歪み始める。


医者「いきますよ。よし、いきんで」


かず「んあぁーっっ!!」


俺の手にかずの指が食い込む。


分娩室に何十回目かのかずの声がこだました。


「頑張れ!かずもう少しだ!!」


医者「頭出てきたよ!」


かず「くぅぅっ…!あぁっっー!!!」


そして…


「おぎゃぁ…おぎゃぁ…」


「産まれた…!」


かず「はぁっ…はぁ…ふ…」


くたり、とかずの身体から力が抜ける。


この日。
大野家に新たな家族が誕生したのだった。
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