第73章 押された背中
りーだーとリビングに戻ると椅子に座ったにのが翔に持たれながら泣いてる。
それを翔と智香ちゃんが慰めていた。
にのは翔に抱き締められながら智香ちゃんの手を握り締めている。
少し離れたところからさっきまでゲームをしていた太陽ととも君が虎鉄を抱っこしながら心配そうににのを見つめていた。
翔が顔を上げて俺を見つめ頷く。
智香「パパお帰りなさい」
智「おう、ただいま」
智香「ねぇお母さん。お風呂入って来たら?パパも一緒に」
和「え?」
智香「その間にハンバーグ温めてるから。ね、パパ」
智「う、ん…じゃあ…風呂借りるよ」
潤「どうぞ」
にこりと笑うとりーだーはにのに近付き手を引いた。
和「………」
手を繋いだまま2人は静かにリビングを出て行った。
潤「にの…大丈夫か?」
翔「うん、まぁね。ここに来て急に泣き出したからあまり詳しく聞けなかったけど…お腹の赤ちゃん発育不全だって?」
「うん。それでりーだーが今年は休めって…それで…」
翔「それでか…。泣きながら『さとしに怒鳴られた』って言うから…」
智香「ビックリした。パパが怒鳴るなんて」
「俺達もないぞ見た事」
智香「それだけ…お母さんが心配だったんだよね」
翔「そうだね。愛だよ愛」
翔が智香ちゃんと微笑み合いながら笑った。