第73章 押された背中
智香「ねぇ…翔ママ…」
「ん?どうしたの?」
潤が太陽ととも君とお風呂に入ってる間、俺と智香ちゃんは片付けをしながらハンバーグを焼き始めた。
テーブルで和香ちゃんはいい子でお絵かきしていた。
智香「パパとお母さんは…仲良いの?」
「え?どうしたの」
智香「うーん、だって…キスしてるとこあまり…てか全然見ないから。翔ママと潤パパすっごいしてるから」
「あー…うちは…ほら、一度離婚して再婚したばっかりだからね」
恥ずかしくなって頭を掻きながら笑って誤魔化す。
智香「そっか…でも…昔からパパとお母さんと比べていつもくっついてるから…何か…」
そこまで言うと智香ちゃんが黙ってしまう。
「………智香ちゃん?どうしたの?」
智香「………ううん…何でもない」
首を振りながらも何か悩んでそうなその表情が俺は気になった。
「………ねぇ。智香ちゃん」
火を止めて智香ちゃんの前に立つ。
「今ここには誰も居ないよ。潤パパも太陽もとも君も居ない。和香ちゃんが居るけどリビングに居るから聞こえない」
智香「うん…」
「………何か話したいなら話してみて。誰にも知られたくないならパパにもお母さんにも言わないよ。約束する」
智香「翔ママ…」
「ん」
小指を立てて差し出すと智香ちゃんが笑顔で小指を絡めた。