第73章 押された背中
「そうそう。わぁ、智くん上手いね。智香ちゃんも綺麗だねぇ」
智香「お母さんのお手伝い楽しくて」
「そっかぁ。でも本当に上手だよ。両親共に器用だからしっかり血を引いてるんだね…見てよ。太陽の…」
智香「ふふっ」
トレーに並べられたハンバーグ。
智香ちゃんと智くんは綺麗な形に作ってたけど太陽のは興味がないのか、適当に丸められたものばかり。
「料理ベタは俺の血か…」
それでも可愛い息子がこねたハンバーグだから愛着が沸いてしまうのは母心だ。
「これ俺が食べようっと…」
太陽がこねたハンバーグを俺は隅に置いた。
潤「それ翔の分?」
「勿論。可愛い息子が作ったハンバーグだよ」
潤「格好いい旦那のこねたハンバーグは?」
「うーん、それも捨てがたいけど今日はこっち食べたいもん」
潤「ざーんねん。息子に負けた」
「ふふっ」
ケラケラ笑ってると智香ちゃんがジッと俺達を見つめてるのに気付く。
「智香ちゃんどうしたの?」
智香「ううん…潤パパと翔ママって…仲良いなぁって」
「そ、そう…?」
智香「うん。ずーっとイチャイチャしてる」
「イ、イチャイチャ…」
潤「ははっ、まぁ…俺達夫婦のスキンシップだ」
潤がそう言うと智香ちゃんは笑った。