第73章 押された背中
「おはよー…」
潤「翔!良かった。来て!」
バスローブを着てリビングに入るとパソコンとにらめっこしていた潤が顔を上げた。
「え?何?」
潤「こっちこっち」
ただ事では無いと思った俺は小走りで潤に近付いた。
「何…?」
潤「観てこれ…」
「………え…」
パソコンの画面を指差され、それを観ると俺は驚いた。
そこは…昨日の報道番組で放送した大石さんとの対談、そして俺が明かした事への感想で埋まっていた。
「これ…」
潤「そうだよ」
潤がそっと俺の背中に手を置く。
そこは…昨日の放送を称賛する内容で溢れていた。
中には…同じ経験をされた人からの『勇気を貰った』『私も立ち上がりたい』と…そんな感想が溢れていた。
潤「それと…さっきマネージャーから連絡あった。昨日の放送の視聴率…15%だって」
「じ、じゅ…!」
潤「まぁ、『櫻井翔の告白』って予告してた事もあるだろうけど…それでも…対談始まってから右肩上がりだったって」
「………凄い…」
潤「ワイドショーでもやってたよ。『櫻井翔の勇気ある決断と告白』って…」
「………」
潤「頑張ったな」
「………不安だったけど…間違ってなかったんだね…」
潤「うん。でも…こうやって大々的に取り上げられたから観なかった人達も知る事になる。それに…よくないコメントも出てくると思う。でも…俺が守るから。だから頑張ろうな」
「潤っ…ありがと…」
俺は涙を溢しながら潤に抱き着いた。