第73章 押された背中
ー翔sideー
「んー…」
眩しい朝日に目を覚ますともうすっかり日が上ってしまってるのが分かる。
「………何時…?」
壁掛けの時計に目をやるともうすぐお昼だった。
「起きなきゃ…」
身体を起こし、ベッドに腰掛けて伸びをした。
その姿が姿見の鏡に映る。
情事の後、そのまま寝てしまったから全裸の俺がそこに映し出された。
「んー…そろそろ絞らないと…」
コンサートに向けて少し絞らないと駄目だなと思いながらゆっくり立ち上がる。
「………」
何となく、そっとお腹に手をやる。
昨日も…沢山えっちしたな…。
「………受精します様に…」
お腹を撫でながらそっと呟いた。
「え…あれ…?」
徐々に覚醒して、身体にちりばめられた赤いキスマークに気付く。
首筋やお腹…。
辿っていくと太ももにまで痕は付いていた。
「ちょっ…潤…」
足を開いて鏡に映すと太ももからお尻近くにまで及んでいた。
「………いつの間に付けたんだよ…」
そう言いながらも俺は…潤の愛の印につい、口角を上げてしまった。