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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第73章 押された背中


「………太陽にはずっと寂しい思い…させてきたよな」


太陽「ん?」


俺の言ってる事が分からないのか、太陽は首を傾げながらフレンチトーストにかぶり付いた。


「………お父さんとお母さんがテレビの仕事してるから…色々我慢させてきたよな」


俺達は…俺達夫婦は自ら望んでこの世界に入った。
けれど太陽は違う。
この世に産まれてからずっと…不自由な生活をしてきたんだ。
中学生までは好きな生活が出来た俺達と違う。


行きたい場所にも簡単に行けない。
一緒に居てやれない事も多い。
どれだけ…1人っ子の太陽に我慢させてきたか。


太陽「お父さん?」


「いや…お父さんもお母さんも…太陽の事愛してるからな」


太陽「は?なに?」


「いやいや、ごめん。でも…とも君とこはもうすぐ4人姉弟になって賑やかになって…羨ましいと思うかもしんないけどさ。うちは静かな分…いっぱい太陽と遊んであげられるからな」


ぐしゃぐしゃと太陽の髪を撫で付けると太陽がも〜ぅと笑った。


太陽「じぃじとばぁばと一緒に暮らすんだからうちも賑やかになるよ」


笑ってそう言ってくれる太陽が俺はまた嬉しくなった。


「そうだな…『少し静かに〜』っていつも言ってるかもな」


太陽「あははっ」


笑いながらお皿を片付け始める。
流しで水を出し始めると太陽がテレビを付けたのが分かった。


太陽「………さん!お父さん!」


「え?」


太陽が俺を呼ぶ声がして慌てて水を止める。


太陽「観て!」


そして俺は太陽が指差したテレビ画面から目が離せなくなった。
それと同じタイミングで…俺のスマホが音を立て始めた。
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