第73章 押された背中
翔「あ、あっっ…待って潤っっ…」
愛しい。
初めて会ってからこれまでその想いは一度も朽ち果てる事は無かった。
腕の中のこの人が愛しくて堪らない。
今夜はいつもより強く思う。
自分の辛い過去から這い上がろうとしてる。
乗り越え方は人それぞれなんだろうと思う。
翔は自分のやり方を見つけた。
過去の事を受け止め、自分の口で語り、同じ苦しみを持った人に訴えていく。
『自分だけじゃないんだ』と。
それがどんなに大変な勇気のいる事か。
翔は…本当に凄い人だ。
俺が…どこまで翔の役に立てるか分からないけど。
俺の全力でこの人を守ろうと思う。
俺と太陽。
一緒に…翔の支えになりたい。
なってみせる。
翔「あ、あぁっっ…潤イくっっ…!!」
久し振りだったせいか、指を入れただけで翔は直ぐに達してしまった。
「はぁっ、はぁ…汚しちゃった…」
そういう翔のズボンと下着を下ろしてベッドの下に投げ捨てる。
「なぁ、翔…」
翔「なぁに…」
トロンとした色っぽい表情の翔にまた何度もキスをする。
「俺…なりたい」
翔「え…?」
「翔のブックエンドになりたい…」
そう言うと、直ぐに意味が分かったのか翔はにっこり微笑みながら俺にしがみついてくる。
翔「最強強度のブックエンドでお願いします…」
首に手を回しながら翔の方から口付けてきた。