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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第73章 押された背中


VTRが終わり、スタジオの翔が写し出される。


言葉を選ぶ様に暫く黙った後…翔は深呼吸をして口を開いた。


翔『………今回大石さんに話をお伺いして…本当に強い人なんだと感じました。それと同時に…沢山の思いを乗り越えて強くなったんだと思いました。でも大石さんは『違うんです』と仰ってました。『私は弱い人間です』と。『私は沢山の人の支えがあったからこうしていられる』と仰ってました。なので『もし支えがないと思ってらっしゃる、立ち上がる事が困難な人達の為に動いていきたい』と…』


村尾『櫻井さんも…同じ思いを経験なされたんですね』


翔『………はい。私は9年前、性的暴行を受けました。当時私は…妊娠中で…お腹の子供を失いました。そしてその事がきっかけで…妊娠出産の難しい体質となりました。私は沢山の支えがあって…直ぐに仕事も続けられてますが…ずっとずっと…苦しんでました。立ち向かう事を恐れて苦しい気持ちに背を向ける事で…いつか立ち直れるんではないかと。折り合いを付けられるのではないかと。でも…大石さんにお会いしてそれが出来てなかったと気付かされました。今回大石さんとお話をさせて頂いて…私も…これから立ち向かう力を身に付けようと…強く思いました』


翔の力強い言葉に…俺も太陽もテレビ画面から目が離せなかった。
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