第73章 押された背中
「………大石さん。本当に…ありがとうございました」
大石「こちらこそ。本当にありがとうございました」
対談を終えた後、俺達は固い握手を交わした。
大石「本当はスタジオに行きたかったのですが都合が付かず…申し訳ありません」
「いえ。こうしてお会い出来ただけで光栄です。大石さんの言葉に…背中を押された気がします」
大石「櫻井さんの言葉…本当に…私が訴えや活動をやってきた意味があったと思いました」
「良かったらこれからも…この問題を番組で取り上げていきたいんです。大石さんだけではなくて…被害者の会の方達に…了承があれば…まだまだ…被害者の会や支援センターの話も取り上げていきたいですから」
大石「協力しますよ。これからも宜しくお願いします」
こうして俺は…この活動の第一歩を踏み出す事になった。
大石さんが帰った後…後片付けをしているスタッフの中には涙を潤ませてる人も居て。
どんな涙の意味なのかは分からないけど。
予定の倍の時間を費やしてしまったこの対談。
これをしっかり持ち帰って…当日はしっかり自分の言葉で話していかないといけない。
そう心に決めた。