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君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第72章 葛藤


月曜日。
テレビ局の報道フロア。
いつもの時間に局入りをして楽屋に入ろうとした俺の前に村尾さんが現れた。


別の打ち合わせだったのか、そう思ってると後ろからプロデューサーとディレクターが並んで出て来た。


村尾「櫻井さん。おはようございます」


「お、おはようございます。打ち合わせですか?」


村尾「うん、まぁそんなところです」


村尾さんが微笑みながら頷いた。
その微笑みに何となく違和感を感じた俺は何があったのか聞こうと近付いた。だけど…


プロデューサー「櫻井さんおはようございます」


「あ、おはようございます…」


プロデューサーとディレクターに囲まれ、出来なかった。


何でもない会話に適当に相槌を打っているとプロデューサーの肩越しに村尾さんはニコリと微笑みながら去っていった。


「あ、あの…村尾さんと何かあったんですか?」


プロデューサー「ん?ああ、今後の打ち合わせを少しね。大した事じゃないよ」


「そう、ですか…」


『今後の』という言葉に何となく引っ掛かりを覚えた俺はそのまま村尾さんを追い掛けたかった。


でもそれを阻止するかの様にプロデューサーとディレクターが熱心に話し掛けてくる。
俺は相槌を打ちながら話を聞くしかなかった。


この時は分からなかった。
村尾さんとこうして仕事をしていくと思っていた関係がすぐそこまでタイムリミットが近付いているなんて。


俺と村尾さんの関係が大きく変わっていくなんて…。
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