第72章 葛藤
ー和也sideー
「ねぇ翔さん。明日休みでしょ?」
翔「え?うん…どうしたの?」
「俺も仕事飛んじゃって休みになったの。綾ちゃんとこに行く約束してるんだけど…翔さんも行こう?」
翔「あー…ごめん。ちょっと」
「何か予定入ってた?」
翔「あ、いや…ちょっと…来週のzeroの事で…ちょっと資料が沢山あって…目を通しておきたくて…」
僅かに泳いだその瞳で長年親友をやってきた俺には嘘だと分かる。
「………そっか分かった。残念。また行こうね」
翔「うん。ごめんね…ありがとう」
「ううん。じゃ…お先にね。潤くんに宜しく」
翔「うん。お疲れ様。智くんもお疲れ様」
智「おぅお疲れさん」
翔さんに手を振ってさとしと一緒に楽屋を出る。
智「かず?帰んねぇの?」
「ちょっと潤くんにね」
智「松潤?」
さとしの手を引いて俺は別室で少し打ち合わせをしている潤くんの元へと向かった。
潤「お疲れ。どうした?」
俺達に気付いた潤くんが眼鏡を外す。
「潤くん忙しいのにごめんね。今度話せる?」
潤「今度?いいけど」
「ごめんね。2人だけで。一応翔さんにも言わないで」
俺のその言葉で、翔さんの事だろうと察した潤くんだけど何も聞かずに頷いてくれた。
潤「時間分かったら早めに連絡する」
「ありがとう。ごめんね。お疲れ様」
何で2人なんだとブツブツ言うさとしの腕を引っ張りながら俺達はそのままマンションへと帰った。