• テキストサイズ

君と僕の見ている風景【気象系BL小説】

第72章 葛藤


柔らかいバスタオルの感触と…潤の腕。


潤が抱き締めたまま優しく俺の髪の毛を拭いてくれた。


「………いつも…」


潤「ん?」


「いつも…こうしてくれた。あの時も…」


潤「あの時?」


「身体の傷…俺が見てここで泣いていた時…」


潤「………あぁ…」


「『俺が綺麗にしてやる』って…言ってくれた」


潤「そう?」


「俺…綺麗?」


潤「綺麗だよ。翔はずっと変わらない。綺麗だよ」


身体を拭いた後、潤は俺にパジャマを着せながら頷いた。


「潤…俺も赤ちゃん欲しいよ…でも…」


潤「うん」


「怖い…怖いんだよ。俺達の事だけじゃない。もう…失いたくないんだ…」


潤「………」


「また…俺達の腕をすり抜けて先に天国に行かれたら…俺は…」


潤「………そっか…」


「ごめん…ごめんなさい…でも…あんな思いは…」


潤「分かった。だからもう泣かないで。大丈夫だよ」


「うん…」


潤「俺もごめんな。思い出させて…」


「ううん…ごめんなさい…」


潤「いいから。ね?大丈夫…」


優しい潤の声と唇が…俺をゆっくりと包んでいった。
/ 1278ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp