第72章 葛藤
潤「ちゃんと話そう」
服を着ながら潤が言う。
「………大丈夫」
潤「翔」
「今だけだよ。相葉くんと綾ちゃんに子供が産まれて…にの達も4人目が出来て…赤ちゃんラッシュだからそう思っただけだよ」
潤「………」
潤と目を合わせられなくてうつ向くと潤が両手を握り締めてくる。
潤「………自分にだけじゃなくて俺にも嘘付くの?」
「潤…」
険しくなる潤の表情。
やっぱり…この人には嘘は付けない。
それに自分自身にも。
「欲しい…欲しいよ。やっぱり…赤ちゃん欲しい。でもね…やっぱり…」
潤「何?」
「怖いんだよ…俺達…歪みが出た最初のきっかけはそれでしょ?俺が潤の言う事聞かずに無理して…溝作った。それで…あんな事になった」
潤「違うよ。あれは俺の責任だよ。ちゃんと翔と話し合えば良かったのに馬鹿な事をした」
「馬鹿な事をしたのは…お互い様だよ」
潤「………」
「もう…あんな風になりたくない。潤とあんな風には二度となりたくない」
「もうならないよ。誓ったろ?もう絶対に離れないって」
「潤…」
潤「俺は…欲しいよ。翔の負担になる様な事はしたくないけど…出来るなら欲しい。翔も同じ気持ちなら…もう一度チャレンジするのもありだと思う。だから翔も…考えてみて」
「………」
答えられずにいると潤がそっと頬にキスをする。
「ね?」
「………うん…」
俺は黙って頷いた。