第72章 葛藤
そう。
建築士さんとの話し合いとは真逆に土地探しは直ぐに決まった。
偶然に最高の立地条件で空いた土地。
俺達は直ぐにそこを抑え、両親に頭を下げてそこに決めた。
にののご両親も潤のご両親も快く応じてくれて本当に感謝してる。
「赤ちゃんも直ぐに見に行けるしね」
膨らみ始めたお腹をそっと撫でた。
「次の検診で分かるんだっけ?」
和「うん多分。でも何か女の子の様な気がするんだよね」
「女の子かぁ…いいねぇ1男3女」
和「………ありがと」
お腹を撫でてる俺の手をしっかりとお腹に這わせる。
「………にの」
和「俺まだ諦めてないからね。ずっと祈ってるから」
「………ありがと」
智「ただいま〜。おぅ、翔くん来てたんか」
「お帰りなさい。お邪魔してます」
和「お帰りなさい。何買って来たの」
智「うん。絵の具と…後デカいキャンバス頼んできた。来月届くって」
「着々とアトリエに置く物が増えてるね智くん」
和「そうなんだよね。まぁそこは好きにしていいって言ったから良いんだけど」
智「マンションだとデカいの置けなかったしな。時間掛けて書きたかったんだ大きいやつ」
「凄いね」
そう言うと智くんが嬉しそうにキッチンへと向かった。