第70章 Second Wedding
太陽「はわ…すごい…」
会場に入ると太陽が目を開いて辺りを見渡す。
スタッフが沢山居るとはいえ、開演前の会場は閑散として見え、公演中より広く感じたんだろう。
「いつも見てるだろ」
太陽「う、うん…でも…」
スタッフ「おはようございます」
「おはようございます。息子が迷惑かけるかもだけど」
太陽「お、おはようございます」
俺の隣で太陽がオドオドと頭を下げる。
スタッフに挨拶した後、俺は客席へと座る。
ステージには太陽に手を振る4人の姿。
太陽「お父さんは出ないの?」
「ん?うん」
太陽「踊れるの?」
「どうだろうなぁ〜。後で練習しないとなぁ」
笑いながらマイクを持つ。
「はい。じゃあ宜しくお願いします。えーと…」
息子が黙ってステージと俺を交互に見つめるのを感じながら俺は本番までの短いリハーサルをこなしていった。
『練習してるとこが見たい』
突然の太陽のその言葉に俺も翔も戸惑いを感じたけれど…息子が成長した証拠かなと喜びに変わった。